7月3日現在、今は第1波の真っ只中にいる。第1波といっても、ここで申し上げるのは宿泊施設への予約急増の第1波だ。緊急事態宣言の解除、休業申請の解除、県境を超える制限の解除と行動制限が徐々に緩和される中で、大都市から車で2-3時間の距離にある観光地の旅館・ホテル等は自粛反動とも言える国内客の予約が殺到している。宿泊施設も6月上旬頃から徐々に営業を再開しており、高級ホテルや高級旅館から予約が集中し、ほぼ週末は満室状態となっている。夏休みを控え予約が断続的に入っている状況である。海外旅行を取りやめ国内旅行に切り替えている国内客も多く、自粛解除を待ち望んでいい日程を押さえようという動きだ。当センターもほぼフル稼働に近い。
第2波はすでに始まっており、今後ピークを迎えるだろう。この予約急増は主に、地方自治体、都道府県、国レベルで行われるGo To キャンペーンになぞられる宿泊料金の補助キャンペーンである。国レベルはおそらく夏休みには間に合わないということで、都道府県や地方自治体が先んじて数千円から1万円程度の補助キャンペーンを展開し始めている。準備期間もままならず地域特性も強いので、詳細は全て宿泊施設に振られるケースも相次いでおり、宿泊施設は電話・メール・ネット予約対応で右往左往している状態だ。一部報道によると、問い合わせの電話が5時間なりっぱなしというような施設も出てきているようだ。
第3波はこれから発生する入国制限の撤廃による急増だ。諸外国と比較しコロナ感染者数が多くない日本は「安全」な渡航先と考えられやすい。むしろ、北米や南欧など世界でも有数な観光地がコロナ震源地になっており、そこに本来は向かう観光客が比較的安全な地域である「日本」を選択する可能性は十分考えられる。ビック4(中国、香港、台湾、韓国)は入国制限が解禁されればどっと押し寄せる可能性がある。日本人よりも海外の旅行客の方が日本は安全だと見る向きは強い。渡航先が限られる中、日本入国便が解禁されれば、海外からの飛行機の便は毎便満席かもしれない。
第1波、第2波、第3波をうまくコントロールできなければ、おそらく宿泊施設の問い合わせ対応機能はパンクする。Go to キャンペーンなどメディアでの報道は数秒で拡散され、利用客はその情報を持って、希望の宿泊施設に問い合わせを行うだろう。受け手の方が準備できていないことは容易に想像できる。顧客対応も準備と予測が非常に重要な局面を迎えることになり、それをうまく制する事ができれば、コロナ禍で失った損失を大きく取り戻すことも可能だろう。
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