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国民の祝日があるので忙しくなる国民

 国民の祝日とは、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために定められた「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」と法律に記されている。いわゆるお正月やGWなどの祝日があたるわけだが、国民であってもその日は忙しく働く人々がいる。そう、飲食店、小売店、交通機関、宿泊施設などサービス業に携わる人々である。


 国民の祝日を休日にできる国民が、旅行、買い物、外食を行う機会を捉え、国民の祝日を休日にできない国民がせっせとサービスに勤しんでいる。いわゆる稼ぎ時であり、サービス業に従事するものにとって、祝日や連休に休むことは御法度である。日本の正規雇用者数が約3500万人、非正規雇用者数が約2000万人、もちろん非正規雇用者が全員祝日に勤務しているわけではないのだが、ひょっとすると3500万人の休日の為に、2000万人がその休日に働いているのかもしれない。周りを見渡してみれば、祝日であっても働いている人がたくさんいるのは一目瞭然である。スーパー、コンビニ、鉄道、バス、小売店、宿泊施設など数え上げればキリがない。「国民の祝日」は全国民の休日ではないのである。


 欧州では、法律で日曜日や休日にビジネスを行うことを禁じている国が多い。日曜日にはスーパーも映画館も飲食店もお休みというところもある。なぜなら国民の休日だからという理由だ。英国ロンドンではクリスマスには地下鉄も運行しない徹底ぶりだ。営利目的が浸透している日本にこのような考え方を持ち込むのは難しいだろう。1月1日は東京の地下鉄は全て運休しますというのは想像し難い。


 国民の祝日を増やしても、結局全国民は休めない。人手不足が深刻化する中、休める人と休めない人の軋轢は深まるばかりだ。折角の休日なので外食しようにも、混んでいる上にサービスをするスタッフも人手不足で十分に配置されていない。席があくまで待つ、食事が出るまで待つ、精算するのに待つで普段の倍以上の時間がかかるかもしれない。サービスする側も忙しくてクレームが増えるのであれば、勤務したくないという人が多くなる。祝日という過度の需要の集中と人手不足という供給不足が生む構図である。


 サービス業の人手不足問題の解決策として大きな効果があるのは、この「国民の祝日」をコントロールすることだ。国民の祝日を無くしたり少なくする一方で個々人の休暇制度を多用したり、地域別に祝日を変えたりなど、需要の一極集中を回避できる方策を考えなければならない時代に来ていると感じている。


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