AIやChatGBTの躍進は凄まじい。お客様対応を日々行なっている当予約センターにおいても活躍の機会はどんどん広がっている。ただ、まだまだもどかしさを感じるのも事実だ。
人間は、電話口であっても相手が何かを伝えようとする内容を驚くほど敏感に受信し、思考回路を張り巡らし、回答に至っているといつも思うのである。人間のコミュニケーションというものは、伝えられた言葉だけで、相手の意図を理解しようとはしていない。その言葉に至った経緯、言葉が出たタイミング、話す音量、話す速さ、話し方、イントネーション、相手との関係性など、言外の情報を総合処理して、相手が、喜んでいるのか、怒っているのか、呆れているのか、イライラしているのか、感謝しているのかなどの感情を読み取っているのである。下記の言葉を例として使ってみよう。
「わかりました。それじゃあ、それでやってください。よろしくお願いします。」
シンプルな言葉であるが、読者の皆さんは相手の心理状況がどのような状態が想像できただろうか?テキストに書いてあるこの言葉だけでは、相手の気分はいかようにも受け取れる。
仮にこの言葉が、当初無理なお願いを受け、なんとかこちらで少し形を変えてうまく提案できたことに対する、明るくハキハキとした話し方での返答であったのであれば、相手側に満足してもらった、「感謝」してもらったと受け止めるであろう。
一方で、この言葉が、最初から期待されていたお願いであったにも関わらず、ほぼゼロ回答で、ごまかし程度の内容でしか提案できなかっとことに対する、低いトーンでぶっきらぼうな言い方での返答であったのならば、恐らく相手側は不満足で「怒っていた」と受け止めるだろう。
同じ言葉でも、人間は言外のあらゆる情報を処理して、相手方の心情を理解しようと努めるのである。それはまさに、物事を透視する超能力の域に達するのではないかと思う程だ。日々このコミュニケーション力を使い、相手の心情を探り、どのような回答がいいのかを考え、伝え方を変えているのである。無意識でもこれを行うのが人間のコミュニケーション力なのだ。もちろん、このコミュニケーション力が不足していたり、上手く活用できない人はいるだろう。相手の主張の真意が理解できない人、考えが及ばない回答で相手を怒らせてしまう人、などコミュニケーション力をもっと磨いてほしいと思う場面も多々ある。
ただ、やはりAIなどと比較すると人間のコミュニケーションはとてつもない量の情報を処理しているし、話す方も聞く方もその処理能力があるからこそコミュニケーションが成り立っていると思わざるを得ない。先ほどの例でも、話し方や事の経緯を踏まえれば、相手が感謝しているのか、怒っているかは、大抵の人は理解できるからである。AIから見れば人間のコミュニケーション力はまさに超能力なのだ。
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